何を作ったかではなく
何が実現できたのか

仕組みをつくって終わりではなく、成果が数字に表れるまで。経営の意思決定から開発現場まで踏み込み、事業が前に進む変化をつくってきました。その一部をご紹介します。

※ 守秘義務に配慮し、企業名および特定につながる情報は伏せています。記載の数値は、支援前後を比較した概算値です。業界や既存環境によって進め方は異なります。

CASE 01 / ソフトウェア事業会社

経営者に集中していた問い合わせを、開発部で回る形へ

CS・営業から上がる不具合対応がすべて経営者を経由していた状態を、フロー整備と判断基準の文書化で解消。開発部だけで完結できる範囲を広げ、経営者が事業に向き合う時間を取り戻しました。

業種
ソフトウェア事業会社(従業員数十名規模/開発部門10名前後)
支援領域
AI導入支援、CTO支援
期間
約6か月で主要な仕組みが稼働(支援は継続中)
体制
ZENGINEから1名。常駐ではなく、経営者・開発部・CS/営業部の間に必要な場面で入る形
90%開発部内で完結
1日3〜5件経営者経由だった問い合わせ
支援前 CS部 営業部 経営者 ! 開発部 全ての問い合わせが経営者を経由し、判断待ちで滞留 支援後 CS部 営業部 Slack窓口 AIが回答案を生成 経営者 開発部 90%を部内で完結 インシデントのみ 窓口とAIの一次回答案を経て、開発部で完結

課題

CS部・営業部から上がる不具合や仕様の問い合わせが、すべて経営者を経由していました。件数は1日3〜5件。経営者が内容を判断し、クリティカルなものだけが開発部へ渡る。判断がつかないものは、そのまま滞留することもありました。

結果として、経営者の時間が不具合対応で埋まり、本来向かうべき新規事業の立ち上げや販路拡大に着手できない。休みも取りづらい状態が続いていました。

原因

  • 問い合わせのフローが定義されていなかった(誰が受け、どこで判断し、どこへ渡すのか)
  • 判断に必要な情報が経営者の中にしかなく、ドキュメントとして残っていなかった
  • 部署をまたいで状況を共有する場がなく、開発部が問い合わせの全体像を把握できなかった

支援内容

  1. ナレッジトランスファー

    問題が起きるたびに経営者へ確認し、判断の根拠をその場で文書化。2回目以降は経営者がいなくても同じ判断ができる状態へ移していきました。

  2. 問い合わせフローの整備

    受付から一次判断、開発部へのエスカレーションまでの流れと基準を定義しました。

  3. 窓口の一本化とチケット管理

    既存のSlack上に問い合わせ窓口を設置。あわせてAsanaを導入し、不具合を起票から完了まで追える形に。起票のテンプレート、ステータス、担当と期限のルールまで設定し、「入れたが使われない」状態にならないよう運用まで整えました。

  4. 部署横断の説明会

    新しいフローの目的と運用方法を、CS・営業・開発の合同で共有。運用開始の起点をつくりました。

  5. AIによる一次回答の生成

    Slackに届いた問い合わせを生成AIが読み取り、想定される原因と回答案を提示。エンジニアがその内容を検証したうえで回答する形にし、回答までの時間を短縮しました。

成果

  • 全件が経営者を経由していた状態から、約90%が開発部内で完結
  • 経営者の判断が必要なのは、大きな不具合やインシデントに限定
  • 一次回答の生成と窓口の一本化により、回答までの時間を短縮
  • 経営者が新規事業や販路拡大に時間を向けられる状態に

難しかった点

最も時間がかかったのは、経営者の中に蓄積された属人的な判断を引き出し、他の人が使える形に置き換えていく工程です。一度にすべては移せないため、問題が起きるたびに少しずつ移し替えていく。経営者の側にも、判断を手放す覚悟が要ります。仕組みだけ作っても動かないため、ここに時間をかけました。

CASE 02 / ソフトウェア事業会社

増えすぎた開発体制を、動く人数に組み直す

マネジメントが追いつかないまま人だけが増えていた開発部門を、評価基準の再設定と段階的な入れ替えで再構築。人数を減らしながら、開発が止まらない体制にしました。

業種
ソフトウェア事業会社(開発部門20名前後/およそ7割を業務委託が占める体制)
支援領域
CTO支援、SES・人材支援
期間
体制の整理は約4か月。入れ替えが落ち着くまで約1年
体制
ZENGINEから1名が参画
▲25%体制規模と月額コスト
約50%入れ替えた人員の割合
支援前 統括役 不在 20名規模。指示もレビューも行き届かない 支援後 統括役 統括役を置き15名に再編。白抜きは新たに参画したメンバー

課題

開発部門は20名前後。人数は揃っているのに開発は思うように進まず、コストだけが膨らんでいる状態でした。

原因

  • マネジメントを担う人数に対して開発者が多すぎ、指示もレビューも行き届いていなかった
  • 経験の浅いエンジニアの比率が高く、実装が進むほど技術的負債が積み上がる構造になっていた
  • 採用・増員の基準がなく、必要性が検証されないまま人が増えていた
  • 評価の基準が明文化されておらず、契約の継続が感覚に委ねられていた

支援内容

  1. 統括する役割の再設計

    開発部門のマネジメント体制を見直し、全体を統括する役割を置き直しました。あわせて評価と増員の判断基準を引き直すところから着手しました。

  2. 現状の可視化と仕分け

    面談、稼働の可視化、成果物のレビューを通じて、いま必要な役割とそうでない役割を切り分けました。

  3. 段階的な縮小

    影響の小さいチームから着手し、月1名程度のペースで進行。一度に大きく削らないことで、開発の停止と社内の動揺を避けました。

  4. 必要な人材の補充

    不足した領域には、まず取引先からの紹介で候補を集め、スキルチェックを行ったうえで参画を判断。条件に合う人材が見つからない場合や急を要する場合にのみ、ZENGINEから紹介しました。補充にあたって自社の人材を優先しなかったのは、目的が「適正な人数に戻すこと」だったためです。

成果

  • 開発部門の人数を約25%削減し、あわせて約半数の人員を入れ替え
  • 外部人員にかかる月額コストを約25%削減
  • 人数が減った状態でも開発は回り、負債を積み増し続ける構造から脱した

難しかった点

人を減らす判断は、それ自体が社内でネガティブに受け取られます。まず「なぜこの人数が必要なのか、あるいは必要でないのか」を整理し、関係者に理解してもらうところから始めました。

また、整理を進めるほど反発は進める側に向きます。その役割を引き受けられるかどうかが、外部から入る立場の要点だと考えています。

CASE 03 / 大手製造業

紙とExcelのアンケートを、ひとつの基盤に

消費者向けの製品アンケートと、社内の情報収集。2つの用途を1つの基盤に統合し、要件定義から運用まで一貫して担当。1万人規模の利用に耐える形で構築しました。

業種
大手製造業
支援領域
システム開発
期間
約1年
体制
ZENGINEから1〜2名。要件定義、設計、実装、テスト、運用まで一貫して担当
1万人超想定利用ユーザー
約1年要件定義〜運用
支援前 Excel 部署ごとに手段も集計もばらばら 支援後 消費者向け 社内向け アンケート基盤2つの用途を1つに 本部 1つの基盤に統合し、本部が横断して確認(1万人規模の利用)

課題

アンケートの用途は大きく2つ。ひとつは自社製品について消費者から意見を集めるもの。もうひとつは、営業担当が持っている現場の情報を本部が吸い上げるもの。いずれも紙やExcelで行われており、組織が大きいぶん、部署ごとに集め方も集計の仕方もばらばらでした。

原因

  • 全社で共通して使える仕組みがなく、部署ごとに手段が分かれていた
  • 集計が手作業で、集まった情報を横断して見られなかった
  • 既製のサービスではなく、自社のブランドとして持てるアンケート基盤を求めていた

支援内容

  1. 要件定義

    想定利用者が1万人を超える規模のため、要件を文書として整備することから着手。関係者が多く、認識の齟齬がそのまま手戻りになるため、仕様を先に言語化する進め方をとりました。

  2. モックアップによる合意形成

    早い段階で動くものを提示し、画面と操作感を見ながら判断できる状態をつくりました。文章だけでは決まらない議論を前に進めるための工程です。

  3. 設計・実装・テスト

    2つの用途を1つの基盤で扱える構成として設計。大規模な利用に耐える形で実装しました。

  4. 運用

    リリース後の運用・改善まで継続して担当しています。

成果

  • 紙とExcelに分散していたアンケートを、1つの基盤に統合
  • 消費者向けと社内向けという性質の異なる2用途を、同じ仕組みで運用できる形に
  • 集めた情報を本部が横断して確認できる状態に
  • 1万人を超える規模での利用を前提とした構成で構築

※ 具体的な数値は守秘義務により非公開としています。

難しかった点

大手企業の案件のため、セキュリティ要件、社内の合意形成、品質のチェックが、いずれも作る工程の手前と後ろで厳しく求められました。実装そのものよりも、決めるための資料と、決めたことを検証する工程に重心がありました。

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